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終戦のローレライII

福井晴敏の「終戦のローレライII」(講談社文庫)を読了しました。

終戦のローレライ(2) (講談社文庫)

終戦のローレライ(2) (講談社文庫)

 

終戦のローレライII」では第二章,第三章までの内容になっております。本書において,日本に「あるべき終戦の形」をもたらすと言われる特殊兵器・ローレライを,伊507が回収することに成功します。さらには米軍潜水艦との死闘にも勝利することになります。

「あるべき終戦の形」については,登場人物がそれぞれの経験や立場から,様々に思い描いております。皇国のために死に,一死をもって国の弥栄に尽くすという思想の基,最後の最後まで戦い抜き,一億玉砕とするのか。あるいは日本の国体を維持することを前提に,これまでの方針を転換するのか。

ものすごく熱い内容となっております。日本に生きる私は,終戦の迎え方について思いを馳せることは今日までありませんでした。日本という国に生まれたことを誇りに思えるのは,千年を超える長い歴史のなかで形成された文化や思想があるからなのです。第二次世界大戦の敗北とともに,失うことがなかったのは敗戦の形を模索した人々がいたからなのです。

そのようにして守られてきた日本固有の文化や思想が,1945年以降続く平和の中で,私も含めた人々の中で次第に薄れてきつつあるのは憂慮すべきことであると思います。現在の安倍政権では日本の誇りを取り戻すことを一つのテーマとしてしています。国粋主義は危険だ,などと揶揄もされておりますが,我々の中に流れる血は日本の風土の中で作り上げられてきたものであり,その方針は間違ってはいないと思います。