睡眠幕府

かつて睡眠幕府という政権があり、太平の眠りを謳歌できる時代があった。
睡眠幕府はいかにして、太平の眠りを入れたのか。

睡眠幕府が誕生する以前は戦乱の時代であった。
人々は絶え間なく続く戦いの中で、安らかな眠りを得ることは非常に難しかった。

そんな中、山カツ将軍が現れた。
彼は人々に訴えかけた。
「私とともに安らかな眠りを手に入れよう！」
眠りに飢えていた人々は皆、山カツ将軍に従っていった。

山カツ将軍が率いる軍は、他のどの軍よりも大きなものとなった。
数に勝る山カツ将軍の軍は、瞬く間に戦乱の世をおさめた。

山カツ将軍は戦乱の世の後に訪れた平和を永遠のものにしようとした。
そこで彼は国を閉ざした。
外界からの情報、物流などを完全に遮断することで太平の世を作り上げた。
俗に言われる鎖国政策というものである。

この鎖国政策により実現した太平の眠りを謳歌できる世は千年とも万年とも言われるほど長く続いた。
また太平の眠りをもたらした山カツ将軍は尊敬と畏怖の念を込めて睡眠将軍と呼ばれている。