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原発の倫理学

原発倫理学』(古賀茂明,講談社,2013年11月28日)を読了。

原子力コンサルタント佐藤暁さんが説く原発事故リスク対策に関する「5 つの哲学」は興味深い。(p. 88 - 90)

  1. nuclear free zone
    原発事故のリスクには一切関わりたくないから原発は作らないという考え方
  2. sudden death
    他国の事故を見て,直ちに原発を止めようとする考え方
  3. phase-out
    国民的議論を経たうえで,ある程度時間をかけて原発を止めようという,より現実的な考え方
  4. no compromise
    原発推進を前提にしてそのリスクに真正面からぶつかり,妥協せずにすべてのリスクを封じ込めようという考え方
  5. untouchable
    政治も行政も財界も学会もマスコミも触れることができない

2011年以前の日本は "untouchable",今の日本は "no compromise" の哲学に当てはまる。

この法律の見直し規定では,40 年廃炉とは別に,規制委員会などの見直しを 3 年後とした。事故調の報告書はその既定の中で「踏まえる」とだけ書かれた。踏まえれば無視してもよい。「反映する」とは書かれなかった。「尊重する」とさえ書いてもらえなかった。しかも,踏まえるのは 3 年後だ。つまり,3 年間は完全無視ということだ。(p. 127)

法律における「踏まえる」「反映する」「尊重する」の違いを知っておこう。

再生可能エネルギーを中心として,スマートメーターを急いで普及してスマートグリッド,スマートシティを作ることに貢献する。そして,世界に先駆けてそのシステム全体を輸出することで世界のエネルギー企業になる――それしか発展の道はない。原発を売り歩く死の商人となっても,世界の競争は厳しい。途上国に長期運転保証を求められて,とんでもないリスクを負うことになり,決して明るい道は開けない。(p. 132)

スマートメーターは普及したが,スマートグリッドやスマートシティは,まだこれからという印象である。

しかし,野田政権の対応を見ていると,そのいずれでもない,極めて場当たり的な対応に終始している。その本質は,「言葉の遊び」。いわゆる「官僚のレトリック」,あるいは「三百代言の詭弁」と言ってもよい。なにしろ民主党は弁護士が多い。言葉で言いくるめたり,言い逃れするのはお家芸という感じだ。(p. 150)

「官僚のレトリック」に騙されてはいけない。