『インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル』(ケン・ウィルバー,日本能率協会マネジメントセンター,2019年7月30日)を読了。
本書の著者であるアメリカの思想家ケン・ウィルバーが提唱した「インテグラル理論」は,多様化,複雑化した世界を読み解き,人・組織・社会というあらゆるセクターで存在している課題に向き合うにあたり,大きなヒントを与えてくれるものです。(位置 No. 25)
多様化,複雑化した世界で生きていくために必要な知識。
かつて,私の知っている教授が,こう述べたことがある。優れた理論とは,「もっと優れた理論へとたどり着くまでは持ちこたえられるもの」なのだ。(位置 No. 380)
優れた理論は永遠ではないが,もっと優れた理論までの繋ぎである。
「自己愛の文化は,統合的文化とは正反対のものである」(なぜなら,自己愛的で,孤立した自己は,他者と深く交流することに激しく抵抗するから)。(位置 No. 505)
自己愛と他者と深く交流することは,正反対にある。バランスよく自己と他者と付き合っていく。
保守派の思想(コンサバティズム)とは,「低次の段階の健全なバージョン」なのである(神話的で,順応的で,市民道徳的で,慣習的なブルー段階の在り方――これは人間の発達において,全く正常で,健全で,自然で,しかも必要な段階である。そしてこうした頑丈な社会体制を維持することこそが,今なお,伝統的な保守政治の土台にある考え方なのである)(位置 No. 3153)
コンサバティズムといえば,保守部門を思い浮かべた。
各文明圏の「重心」は今なお自民族中心的段階にあるということであり,そしてまた,発達の人口分布はピラミッド型になりがちであることを踏まえると,これからも常に,自民族中心的な勢力が個人と文化の意識に強大な(そして多くの場合,支配的な)影響を与え続けるだろうということなのである。(位置 No. 4222)
自民族以外と分かち合える文化を築くのは容易なことではない。私の周りには,自民族以外と融合している事例はない。
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