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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考える

『アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考える』(アンドレアス・ワイガンド,文藝春秋,2017年7月30日)を読了。

情報そのものが世界最大の産業になるなか,データバンクは個人について,本人以上に多くを知るようになる。データバンクが一人ひとりの情報を集めるほど,われわれの存在は希薄になる。――マーシャル・マクルーハン(p. 6)

私は AmazonGoogleFacebook をよく利用しているが,それらは自分以上に,自分のことを知っているのではないかと思えてくる。

すべての革命のはじまりは,一人の人間の心に芽生えた思想にすぎない。同じ思想が別の人間の心に浮かんだとき,新たな時代を拓く鍵となる。――ラルフ・ウォルド・エマーソン(p. 12)

革命の思想を他の人にも広げていけば,新たな時代を拓く鍵となる。

十八世紀には,聖書や教理問答の有名な文章を朗読できる者は,学があるとみなされた。今日ではその程度しか文字が読めない者は,現実的に学がないとみなされる。経済社会で生きていくうえで,必須とされる資料を読むことができないからだ。――ジョージ・ミラー(p. 30)

時代とともに,学ぶことが増える一方。

センサーがきわめて小さくなり,ストレージのコストがきわめて安くなった今,われわれの発言や行動はすべて記録される可能性があるということだ。人生のデフォルト設定が「オフレコ」から「オンレコ」へと,180 度転換したのである。(p. 169)

人生がオンレコに変われば面白いな,と思っていた。レコーディングしたものを,どう扱うかは,深く考えなかったが。

私はみんなにこう言っている。今から行動を変えろ,と。なぜなら今記録されたことが将来どんなふうに分析されるか,わからないからだ。――ブラッド・テンプルトン(p. 212)

記録されるから,行動を変えるのか。

数値で測れるものすべてに価値があるわけではなく,価値あるものがすべて数値で測れるわけではない。――ウィリアム・ブルース・キャメロン(p. 218

数値で測れないものにも価値はある。

修正の妥当性を確認する材料として,それがいつ,どこで作成されたかを示すメタデータを活用することができる。動画や音声記録の背後には,電流の周波数を反映するハム(雑音)が含まれているはずだ。アメリカやカナダでは,交流電源の標準周波数は 60 ヘルツであるのに対し,ヨーロッパと英国では 50 ヘルツだ。ただどちらの地域でも,周波数は送電網にかかる負荷によって少しずつ異なり,そこから特定の場所と時間を分単位の精度で導き出すことができる。(p. 268)

交流電源の周波数で,地域を特定するというのは面白い発想。どこまで場所を特定できるだろうか。

人材を探すのには時間とコストがかかる。ソーシャルデータにその役割を委ねる企業が増えているのはそのためだ。データ戦略会社の Mo データの創業者兼 CEO のギャム・ディアスはデータ・サイエンティストを探していたとき,こう考えた。Q&A サイトの「クオーラ」で一貫して良い回答を寄せている人は,その分野に精通している確率が高いのではないか,と。(p. 314)

Qiita でいい記事を書いている人が,その分野に精通していると思う。

ソクラテスが弟子のプラトンと対話をしたときには,すべての授業が問答形式で行われた。ソクラテスにとっては,生徒に答えを教えることより,優れた問いの立て方を教える方が重要であった。検索エンジンがたいていの質問に答えを導き出せるようになった今日(答えが正しいか否かはまた別問題だが),ソクラテスとの考えはますます妥当性を持つようになった。(p. 318)

生成 AI が使われれば使われるほど,生成 AI は妥当性を持ってくるだろう。