『Web アンケート調査 設計・分析の教科書 第一線のコンサルタントがマクロミルで培った実践方法』(エイトハンドレッド 渋谷 智之,翔泳社,2023年12月13日)を読了。
マーケティングは「消費者理解に始まり,消費者理解に終わる」と言われます。時代が大きく変わるときこそ,行動データと意識データを組み合わせた徹底した消費者理解が不可欠なのです。(p. 18)
消費者のことを理解し,モノやコトを消費者に提供し,その反応を見る。
統計学の有名な言葉に「GIGO (Garbage In Garbage Out)」があります。ゴミを入れれば,ゴミが出てくるという意味です。インプットするデータがゴミならば,どんなに素晴らしい解析をしても,出てくる結果はゴミになります。(p. 40)
GIGO という言葉を覚えておこう。(Garbage という単語が覚えられなければ,Gomi In Gomi Out でいいかも。)
筆者の実務経験を踏まえて,リサーチ企画を上手に考えるためのコツを 2 つ紹介します。(p. 88)
- 上司からの反論を考える
- 悩んだとき,そもそもと立ち戻る
リサーチ企画以外にも考えるときのコツである。
質問文・選択肢を作る際のチェックポイント(p. 125)
- 定義や範囲を「限定」する
- 回答者を誘導しない
- 回答できないことは聞かない
- 重複・無駄なものを削る
質問文・選択肢を作るときのチェックポイントとして覚えておこう。
アンケート終了後の集計・分析ステップ(p. 138 - 139)
- データクリーニング・集計加工
- クロス集計
- データの読み込み・解釈・考察
- レポートの作成・報告
アンケートの集計・分析のステップは,何度か経験してきた。最初の頃は,レポートの作成・報告までの道のりが大変長かった。
データ解釈・考察,レポート作成のステップ(p. 158 - 159)
- <STEP1>調査目的・仮説を明確化し,主要質問を再確認する
- <STEP2>主要質問の結果を確認し,データを深掘りしていく
- <STEP3&4>仮の結論・ストーリーを固めて,レポートにまとめていく
STEP1 で調査目的・仮説を明確にしておけば,次のステップは容易に進めていくことができるだろう。
データの解釈・考察で意識すべき視点(p. 161)
- ギャップを生み出すことにこだわる
- 安易に数値をまとめない
- 数値の背後にあるニーズ・想いを妄想する
- バイアスの罠を意識する
- 観察の So What ? を積み上げる
シンプルにまとめると,背後にあるニーズや想いをくみ取ることができない。
マクドナルド「サラダマック」の失敗(p. 163)
- アンケートで「どんな商品が欲しいですか?」と聞くと,「低カロリー」「オーガニック」「ヘルシー」が毎回上位にランクイン
- 2006 年に「サラダマック」を発売したが,売上が上がらず,ほどなく撤退
- その後,ハンバーガーの肉量を大幅に増やした「メガマック」「クォーターパウンダー」を発売。若い女性が普通に食べていて,大ヒット
- 建前は「健康に配慮した自分でありたい」だが,本音は「お肉たっぷりのハンバーガーにかぶりつきたい」だった
人は建前と本音で生きていることを知る。