Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ファシリテーション入門

ファシリテーション入門』(堀公俊,日本経済新聞出版社,2004年7月15日)を読了。

ファシリテーション (facilitation) を一言でいえば,「集団による知的相互作用を促進する働き」のことです。

facilitation の接頭語である facil はラテン語で easy を意味します。「容易にする」「円滑にする」「スムーズに運ばせる」というのが英語の原意です。人々の活動が容易にできるよう支援し,うまくことが運ぶようにするのがファシリテーションなのです。(p. 21)

人びとの活動が容易にできるよう支援し,うまくことが運ぶようにする。

教育という言葉から多くの人がイメージするのは,「正しい知識を持った人(教師・講師)が持たない人(生徒・受講生)に転移させていく」という学習転移モデルではないかと思います。現に学校教育でも企業研修でも,このスタイルがいまだに主流となっています。

ところが,教える側にとって効率的なこの方法は,教えられる側にとって退屈で納得感に乏しいものといわざるをえません。底上げには向いていても,行動変容には結びつきにくいという欠点があります。(p. 49)

行動変容に結び付けるためには,学習転移モデルでは足りない。

ファシリテーションは一部の専門家だけが持つスキルではありません。社会的なスキルのひとつであり,常に組織と関わって生きていく現代人であれば,誰もが持たなければならないものです。(p. 57)

ファシリテーションのスキルは,現代人であれば誰もが持つべきもの。

我々が日頃やりとりしている知識には,形式知暗黙知の二種類があります。形式知とは,レポートやマニュアルに代表される言語化できる知識です。それに対して暗黙知は,勘・コツ・イメージなど言葉で言い表せない知識です。(p. 115 - 116)

勘・コツ・イメージなど言葉で言い表せない知識を形式知化していく活動は続けていきたい。

少し脱線しますが,人の思考法にはパターンがあり,演繹的に物事を考える人と機能的に考える人の二種類のタイプがあります。前者は,議論の目的を見据えて,課題を大枠からとらえていこうとします。詳細よりも全景を概観しようと思い,それができるまで細部に入っていこうとしません。詳細にあまりこだわらないため,細部のつめが甘くなってしまうこともあります。(p. 143)

私は演繹的に考える人だろうか。

ファシリテーション・グラフィックとは,一言でいえば「議論を描く技術」です。議論をリアルタイムに視覚情報(図解)に落とし込んでいくことで,言葉が飛び交うだけの「空中戦」を「地上戦」に変えようというのです。(p. 146)

ホワイトボードに議論を描けるようになれば,空中戦を地上戦に変えることができる。

良いフィードバックとは,相手の行動や態度を見て思ったことや自分に与えた影響などを,できるだけ具体的に伝えてあげることです。批評や助言は必要なく,相手の行動をコントロールするようなことを言ってはいけません。フィードバックを聞いてどうするかは相手に任せておけばよく,相手を写す鏡として,ありのままを伝えてあげればよいのです。(p. 180)

良いフィードバックとして,相手の行動や態度を見て思ったことや自分に与えた影響などを,できるだけ具体的に伝えてあげることを実践してみよう。