Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ホワイトラビット

『ホワイトラビット』(伊坂幸太郎,新潮社,2020年7月10日)を読了。

「おまえはすぐに要点をまとめようとする。俺が懇切丁寧に語ろうとした事の顚末を,一行で説明しようとするだろ。それじゃあ伝わらないんだよ」(位置 No. 284)

要点をまとめたい病は,私も何度も発症した。

「俺たちは,ルールを破る奴は許せないんだ。せっかく自分たちが我慢して,ルールに従っているのに,何でおまえは我慢しないんだ,そのせいで秩序が壊れてしまう,と感じるようにできている。影響の小さいルール破りだろうが,瑣末な反則だろうが,どんなものでも腹が立つ。しかも,相手が悪びれていなければ,許せるわけがない。集団を危機に陥れる可能性がある。だから自分に被害があろうがなかろうが,不愉快になる」(位置 No. 313)

ルールが破られれば,秩序が壊れてしまう。

自分が正しい,って思っている奴は怪しい。俺の言うとおりやれば間違いないのに!と考えている人間は,そのためには手段を選ばなくなるって。(位置 No. 425)

「自分が正しい」ということを貫く為,手段は選ばない。

社会において,人の行動を自重させるのは,法や道徳ではなく,損得勘定だ。(位置 No. 1145)

損か得かだけで,人の行動を自重させることができるだろうか。

「海よりも壮大な光景がある。それは空だ。空よりも壮大な光景がある。それは」

「宇宙か?」

「それは人の魂の内部」彼女は笑う。「人の心は,海や空よりも壮大なんだよ。その壮大な頭の中が経験する,一生って,とてつもなく大きいと思わない?」(位置 No. 2136)

魂は,大地,海,空よりも壮大である。

「仕事ってのは」と自分に言い聞かせるように洩らした。「人の人生の大半を食い尽くす化け物みたいだな」

「仕事がないと,人生が続けられません」

「化け物のおかげで生きていられるわけか」(位置 No. 2420)

ただ,食べていくだけならば,仕事はほどほどでよい。

人生の大半を食い尽くすほど,働きたくない。

争いの起きにくい環境で,穏やかで優しい人間として子供を育てたら,攻撃性ゼロの穏やかな人間が育つだろう,とやってみたら,実際にはそのようなことはなく,むしろその反対の結果,つまり,ほんの少しの刺激で攻撃的な反応を示す人間になってしまった。(中略)すなわち人間はもちろん動物には,攻撃性がもともと備わっており,大事なのはそれをゼロにすることではなく,うまく発散させ,折り合いをつけることなのだ。(位置 No. 2984)

攻撃性は,しばしば発散しなければならない。

たまには,攻撃的になろう。