Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ワルツを踊ろう 中山七里

『ワルツを踊ろう』(中山七里,幻冬舎,令和元年9月発行)を読了。

「刀は無闇に抜くものじゃない。普段は鞘に収めておくべきだ。そうは思わないかい?」

「それはそうですけど」

「普段は鞘に収めておいて,時々は手入れをする。刀を磨き上げ,自己鍛錬を怠らない。そうすれば刀はいつまでも錆びつかない。いざという時に真価を発揮できる」(能見のセリフ,62 ページ)

私の刀は錆びついていないか。

「町興し村興しの類がそうそう成功するものかね。そんなに簡単にいくものなら,今頃この国の地方はこんなにも疲弊していないよ」(能見のセリフ,186 ページ)

地方に住んでいるが,若者が減り,高齢者が増える現状を目の当たりにすると,このセリフは,非常に共感できる。

「新しい知識を得よう。この人の別の面を探してみよう……普通の人はそういう冒険をしないものだよ。そんな冒険心を持つ人間なら,いずれどこかでリーダーになる。そうでない人間は旧態依然のモノの見方しかしないし,苔むした常識にしがみついている。それは了衛さん,どこに行ったって同じことなんだろうね」(能見のセリフ,238 ページ)

冒険をする人と冒険をしない人では,モノの見方が違うから,議論が噛み合わない。

自分の言葉で思考が沸騰していく。こんな感覚は初めてだった。呪詛の言葉が燃料となり,憤怒の炎を巨大にしていく。

感情が理性を焼く。

憎悪が倫理を消し去る。(247 ページ)

私も自分の言葉に酔うことはあっても,思考が沸騰したことはない。