Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

魔女は甦る 中山七里

『魔女は甦る』(中山七里,幻冬舎,平成25年10月発行)を読了。

「本部長に言わせるとな,手持ちの人材を駆使して最大の効果を上げるようにするのが管理職の職責だそうだ。お前さんだって名だたる警察庁の管理職だろうが」(121 ページ)

管理する人材を駆使して最大の効果を上げる,ということは管理職になるときの参考にしよう。

正義 ――。警察官としての正義,そして個人としての正義。

不思議に耳に残る言葉だった。古今東西,ありとあらゆる戦争に於いて大義名分とされた言葉。国家や権力者が口にすると,この上なく胡散臭い言葉。犯罪捜査に関わるようになってからもある時は管理職の口から,またある時は警察庁の通達文書で幾度となく見聞きした言葉。いや,時には猟奇殺人の犯人やカルト教団の信者からも聞かされた言葉だった。それゆえに本来の持つ意味は果てしなく相対化され,今や錆び付いてはいるが他人を殺傷するには充分な刃物のように扱われ,恥じらいを知る者は死語として己の辞書から削除した言葉だった。

(中略)

Do the right thing ―― 正しきことをせよ。詰まるところ,現代の正義とは己の信念を貫く為のスローガンに過ぎない。では自分にとっての正義とは,信念とは一体何なのだろう。(127 ページ)

正義は己の信念を貫く為のスローガンでしかないため,正義を語る者は胡散臭く見えてしまう。