2022年,最初の記事は何にしようか。
ストックしておいた記事の中から,ノーコードを選んでみた。
『ノーコードシフト プログラミングを使わない開発へ』(安藤 昭太,宮崎 翼,NoCode Ninja,インプレス,2021年6月21日)を読了。
本書のノーコードの定義は,ノンエンジニアがプログラミングすることなく,「ウェブアプリケーション(サービス)を作ることができる」,そして「提供されている機能を自由に拡張できる」ことで「テクノロジーの恩恵を受けることができる」ツールとします。(12 ページ)
ノンエンジニアがテクノロジーの恩恵を受けることができれば,世の中は大きく変わっていくと期待できる。
一足飛びには,難しいかもしれないが,ノーコードは,世の中が変わる潮流を生み出す可能性をもつ。
画一的な価値観の社会であれば,大きな資本を持つ企業や,行政予算を持つ政府や自治体が大きなサービスを一つ作れば,全員が満足する社会でした。しかし,社会が複雑化することで,その仕組みは崩壊し始めています。自分たちの課題や要望は,自分たちでアイデアを出し,自分たちで実現する社会への転換が求められていて,それを技術的に支えるのがノーコードなのです。(24 ページ)
自分たちの課題や要望は,自分たちで実現する。
そういう気概を持たなければ,複雑な社会では生きていけない。
実は多くの企業はすでにノーコードツールを使用しています。例えばマイクロソフト・アクセスは,ノーコードでデータベースと入出力画面を作れます。(92 ページ)
データベースを使いこなすくらいのスキルを持たなければ,自分たちの課題や要望を解決できない。
みなさんは「スプレッドシート」と「データベース」の違いはわかりますか?そもそもスプレッドシートとは,シートに入力したデータに対して Sum や lookup などの関数を設定し,計算結果を表示,グラフ化するための「表計算」に特化したツールです。これに対してデータベースは多人数での利用やデータ再利用(リレーション),他のツールとの連携を前提に作られています。(154 ページ)
扱うデータが大きくなったり,データを利用する人が増えれば,スプレッドシートは,限界を迎える。
データベースの知識といってもさまざまですが,主に要求されるのは関係性(リレーショナル)データベースの知識です。具体的には,正規化や非正規化の方法,関係性(リレーション)や外部キーの考え方,表の結合や並び替えなどがあります。スプレッドシートをデータベースとして使うタイプのツールであれば,基本的な数式を覚えていると扱いやすいでしょう。(181 ページ)
データベースの知識を持つ人が増えれば,エクセルによる集約業務にかけるコストが大きく減ることが期待される。
自分で開発するということは,アイデアを事業に落とし込む過程で生まれたビジョンやミッションなども,しっかりサービスに反映できます。さらに,ビジネス指標をリアルタイムで分析し,それを機能に迅速にフィードバックすることも容易です。(196 ページ)
ビジョンとミッションを反映したサービスは,自分で開発する。
サービスを世に出し,そこから得られるデータでサービスをより良くしていく。
ビジネス開発のことをビズデブ(BizDev)といい,システム開発と運用を統合することをデブオプス(DevOps)といいますが,ノーコードによってビズデブオプス(BizDevOps)というすべてを一人または小さいチームで行うことが可能になります。(197 ページ)
BizDevOps まで一気通貫でできれば,課題や要望をくみ取り,世の中に出しやすくなる。