2021年3月22日
『機会損失 「見えない」リスクと可能性』(清水 勝彦,東洋新聞新報社,2018年9月20日)を読了。
機会損失を考えるとは,意思決定の基準,価値観を考えるということにほかなりません。(中略)機会損失の概念を持つことで,より戦略的な意思決定と行動ができるはずです。(位置 No. 79)
やらないことの損失を考慮することで,より戦略的な意思決定と行動につなげる。
差別化を実現するための資源配分とは,本当は投資したい事業だけれど,より優先順位が高い事業に振り向けなければいけないから,泣く泣く諦めることなのです。(位置 No. 227)
資源配分するためには,優先順位付けが必要。
戦略実現には痛みが伴う。
痛みがないことは,将来より多くの損失を生むリスクをはらんでいる。(位置 No. 239)
痛みを回避してばかりでは,将来,痛みでは済まされないことが起こりうる。
カルビーでは,「本当に正しいかどうかわからない」施策に三年の計画と十三週のレビューがかけられ,さらにそのレビューもその後,延々続いたといわれます。(位置 No. 940)
施策の規模は小さく,期間は短くして,本当に正しいことを確かめながら進めていく。
そして,もう一つ大きな限界(である前提)は,データ分析は客観的であるということです。それは大変良いことですが,逆にいえば,「客観的な分析に基づく=どの企業でも同じ結論に行きつく」ことになります。したがって,データ分析をしないことで競争相手に負けることはあっても,データ分析をすることで差別化ができるかどうかはまた別の話です。(位置 No. 953)
- データは過去のものだという点を忘れ,過去の延長を重視し,「外れ値」を無視する。
- データは測れるものでしか取れないという点を忘れ,目の前のデータがすべてだと思い込む。
- データは「More is better」と思い込み,データを集め続け,分析し続ける。
データ分析で差別化できるわけではないが,データ分析をしておかなければ競争相手に負かされることは充分ありうる。
こうした「エスカレーション」が進む背景には,サンクコスト・バイアス,自己正当化,ルール(組織の慣性),政治,あるいは社会的な圧力など,レベルの違うさまざまな要因があります。(位置 No. 1736)
「エスカレーション」してしまわぬように,深く考え抜く。
社員も一生懸命頑張っていると,精神的にはなんとなくやることはやっているような気持ちになってしまう。一番大切で,大変な深く考え抜くことから逃げているにもかかわらず,やっている気分になってしまいます。人間というのは楽なほうに簡単に流され,よほど気をつけないと,そこに落ち着いてしまう動物なのです。(柴田 昌治『考え抜く社員を増やせ!』)(位置 No. 2239)
気持ちではなく,結果を見てやっている,やっていないの判断をする。
「重要性」を考えることなく(怠惰に)やれることだけをこなす結果,問題の根本にたどり着けず,ますます仕事が増えるのです。(位置 No. 3581)
(怠惰に)やれることだけをこなしている人は,私の周りにもいっぱいいる。
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