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令和三年三月場所,横綱・白鵬の休場について

2021年3月17日作成,2021年3月29日更新

令和三年三月場所,横綱白鵬は「右膝蓋大腿関節軟骨損傷,内節水腫で手術加療を要する。術後 2 ヵ月のリハビリ加療を要する見込み」と診断書を提出し,三日目より休場することになった。

初日は大栄翔,二日目は宝富士に勝利していただけに残念だ。これで白鵬は,5 場所連続の休場となる。

二日目,宝富士を小手投げで下した後,懸賞を受け取る際に,蹲踞ができなかず,一度立ち上がったらしい。

白鵬のトレーナを務める大庭 大業 氏によると,白鵬の右膝に水がたまり,場所前,計 9 回水を抜いていたという。

白鵬の師匠である宮城野親方によれば,白鵬は「七月場所に賭ける」と話しているそうだが,果たしてどうなるか。

白鵬はまた,不死鳥のようによみがえることを期待したい。

2021年3月21~27日追記

2021年3月19日,白鵬内視鏡の手術*1を受け,20日に退院したという。

手術を担当したのは,膝の人口関節手術の第一人者で整形外科医の杉本 和隆 氏*2

である。

杉本氏によると,令和三年三月場所の二日目の取組後,白鵬の膝関節の水を抜こうとすると,あり得ないほどの軟骨の破片が噴き出てきたという。この状態で土俵に立ち続ければ,今後一切相撲は取れないし,将来は人工関節にせざるを得ない,杉本氏は白鵬に伝えた。

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休場後,速やかに手術に踏み切ったことで,早めにリハビリ,稽古のステップに進みたいという思惑があるのだろうか。

令和三年七月場所は,オリンピックの開催期間を考慮して,7月4日に初日を迎える。白鵬に残された時間は,それほど多くはない。

2021年3月27日追記

2021年3月27日,読売新聞の論点スペシャル『横綱の引き際 どう考える』における,元横綱審議委員会委員長の守屋 秀繁 氏*3の話。

白鵬の場合は,軟骨の傷んでいるところを削り取る内視鏡手術を受けたと報道などで知った。私は整形外科医でも膝関節の内視鏡の専門家だ。その立場からすれば,患部の完治は難しいと考える。老化現象を起こしている膝関節の軟骨を若返らせることは,今の医学ではできないからだ。

白鵬の膝は,完治することは難しそう。それでも白鵬なら,もう一度優勝してくれる,そんな思うのは,私だけではないはずだ。

2021年3月29日追記

2021年3月29日,日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会の定例会合が開かれ,横綱白鵬に対して,昨年11月場所後の会合における「注意」の決議を継続することを決めた。

横綱審議委員会の矢野 弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は,決議を継続した 3 つの理由について言及。

  1. 2021年1月場所の休場は,新型コロナウイルス感染によるもので,やむを得ないこと
  2. 2021年3月場所は,2 日だけの出場だったが,意欲を示したこと
  3. 2021年7月場所で進退をかけることを明言していること

委員会の中では,厳しい意見も出たそうだが,もう 1 回チャンスを与えようということで一致したとのこと。

7 月場所の白鵬からは目が離せない。

 

*1:関節鏡視下手術。関節内ですり切れた半月板や軟骨のささくれなどを取り除いたり,増殖した滑膜を除去し,関節内の清掃をする手術である。膝での場合,関節鏡を用いた小さな傷で手術でき,変形性関節症の初期には効果の高い手術である。ただし,軟骨が再生するわけではないので変形を遅らせることが主な目的で行われる。

*2:苑田会人口関節センター病院の院長。整形外科医として,多くの患者の膝の人工関節手術やリハビリを診る傍ら,横綱白鵬や格闘家・武藤 敬司のサポートもしている。

*3:千葉大学名誉教授,整形外科医。2007 ~ 2017 年,横綱審議委員会稀勢の里横綱昇進時の委員長。79 歳。