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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

みずほ銀行システム統合,苦闘の 19 年史 史上最大の IT プロジェクト「3 度目の正直」

2021年1月7日作成

みずほ銀行システム統合,苦闘の 19 年史 史上最大の IT プロジェクト「3 度目の正直」』(日経コンピュータ,日経 BP,電子書籍版データ作成日2020年6月22日)を読了。

みずほ FG の経営トップは勘定系システムの刷新を現場任せにして,情報システムのことを理解せず,必要な資金や人員を投入する決断ができなかった。情報システムの開発に際して業務部門が情報システム部門に全面的に協力したり,関係各所の利害を調整したりできるようリーダーシップを発揮することも怠った。経営陣の IT 軽視,IT 理解不足が,大規模システム障害の根本的な原因だった。(位置 No. 59)

弊社の経営陣には,IT を重視しているとまでは言わないが,ある程度は IT 理解があると認識。一方,情報システム部門は守りの IT に徹しており,どうやって攻めに転じていくか。

つまり金融庁は,みずほ FG やみずほ銀行の経営トップが適切なシステム投資を実施せずに問題がある勘定系システムを放置し,システムを理解する人材の育成も怠っていたと断じたわけだ。(位置 No. 287)

業務システムのことをよく理解している人材は,ほとんどいない。新しい業務システムを考えるに当たっては,まず既存の業務システムを知ることから始めなくてはならないことがもどかしい。

MINORI の要件定義に当たっては,ユーザー部門はアズイズではなく「銀行業務を棚卸しして,あるべき業務フローを考えさせた」(みずほ FG の加藤正樹事務企画部副部長)。「劇薬」も用意した。ユーザー部門が要件定義をする際に,JBCC が販売する上流工程支援ツール「Xupper」を使わせたのだ。(位置 No. 583)

アズイズではなく,あるべき姿のフローを考えさせることがミソ。あるべき姿のフローをしっかり描けるか否かで,ゴールが大きく変わってきそう。

データフロー図によってみずほ銀行のサブシステムを網羅し,それぞれがどう連携しているのかがつかめるようにした。外部システムから受け取ったデータをどんな流れで処理して,その結果をどの外部システムにいつ送るのかが一目で分かるようにもしてある。(位置 No. 1786)

データフロー図を作らなければ,データドリブンで行くこともできない。

「人類は工夫を凝らして自動車など様々な道具を進歩させてきた。それら道具の裏にソフトあり。朝から晩まで人々がソフトを利用する立場になった。そのソフトだけは人間でないと作れない。誰もが道具の利用者になっている今の時代にあって,人間らしい最後の仕事がシステムやソフトの開発です」(三菱東京 UFJ 銀行 畔柳 信雄 氏)(位置 No. 2554)

システムやソフトの開発は,人間にしかできない。

「ソフトは稼働した瞬間から陳腐化する」(日立製作所 塩塚 啓一 氏)(位置 No. 2563)

ソフトは永遠に改良し続けなければならない。実際に,私がコンピュータに本格的に触れるようになってから 20 年,ソフトの進化は著しい。(もちろん,ハードの進化も著しい。)