2020年9月12日更新
『IoT ビジネスをなぜ始めるのか?』(工学院大学 教授 三木 良雄 著,日経 BP 社)を読了。
このように,低成長時代に入ってからの情報通信産業はモノがけん引するというよりも,社会に対して新たな活用法や手段を提示し,その結果として社会の行動や仕組みを変えるという「新たなコト」の提示が社会をけん引していると言えます。ソフトウエアもそのプログラムコードを作るというよりも,ソフトウエアで実現できるコトをサービスの形で提供することが世の中をけん引しており,もはやソフトウエア=サービスと言っても過言ではない状況となっています。(位置 No. 210)
モノづくりではなく,コトづくりができるようになる。
モノよりも,コトをつくるほうが,ハードルは低いので,競争は激しいだろう。
分析において重要なことは「情報を得る」ことです。情報とは「人間の意思決定に寄与するデータ」のことです。意思決定には不十分な状態にある「データ」から,「情報」を得ることが「分析」と考えることができます。(位置 No. 679)
情報があるから,分析できる。
モデルとは,実世界に存在する「状態」がすべてわかっていて,さらにそれぞれの状態にはどのようにすれば到達できるのかがわかっている状況を作ることになります。(位置 No. 704)
モデルができれば,目標に近づけるためにパラメータを調整することができる。
このようにして,やってみて,結果を見て,反省して,次の打ち手を考えるというのは「学習」です。これは人工知能の基本概念そのものです。実世界にもいろいろな変化があります。そのような場にセンサーを備え,実世界を理解するモデルと制御,そしてフィードバックを備えた仕組みを導入すると,見えなかったものが見える,効率がよくなるといった機械的,技術的な効果だけでなく,状況に応じて自らの行動,自らの考え方を自動的に変化させ,環境に適応していく仕組みが完成するのです。(位置 No. 753)
環境に適応していくためには,やってみて,結果を見て,反省して,次の打ち手を考え続けなければならない。
ロードマップは「データの可視化」「状態の可視化」「最適化」「自律化」と,徐々に高度化します。フレームワークは,データの「取得」「収集」「伝送」「分析」「可視化」「モデル化」「最適化」「制御」「フィードバック」からなります。(位置 No. 837)
まずはデータの取得から始めよう。
このように,どのような状態がビジネスにとって良い状態なのか,あるいはどのような状態がビジネスにとって悪い状態なのかがわかるようになれば,制御に向かって基本的な方針を得ることができます。(位置 No. 1192)
現在の状態すらわからなければ,基本的な方針を考えることはできない。