2020年8月31日更新
『トヨタのできる社員はこう考える』(片山 修,三笠書房,2006年7月20日発行)を読了。
組織には,「大企業病」という厄介な病がある。
「大企業病」は,事なかれ主義を蔓延させる。
「無感動」「無気力」「無責任」が組織を蝕む。
チャレンジ精神が失われていく。
チャレンジを避けて,仕事を「先送り」するのは,典型的な症状だ。(p. 23)
大企業病に陥っている電力会社は,どうやってその病から立ち直るのだろうか。
チャレンジすることを思い出さなければならない。
いまの人たちは,現状に満足しているから,考えようとしない。だったら,「無理難題」を与えて困らせることだ。そして,「問題解決能力」を身につけさせることである。(p. 46)
業務を減らすだけでなく,考える仕事に取り組んでもらわなければならない。
「P」は,問題の現状把握である。「D」は,要因解析をし,問題解決に向けて知恵を絞り,対策を打つことだ。「C」は,対策の検証である。ベストプラクティスに到達したら,再現性を持たせ,標準化したり,見える化したり,“ヨコ展(ヨコ展開)”したりする。これが「A」だ。バッドプラクティスだったら,もう一度,「PDCA」を実行する。(p. 80)
問題の現状把握→要因解析からの対策→対策の検証→ヨコ展開(水平展開)
「プロ人材」になるために必要な 7 つのスキル (pp. 113-116)
- ビジョンマネジメント
仕事領域・構造のあるべき姿を構成し,成果産出の中長期的生産性を極大化するスキル- 影響力開発
仕事関係者に適切なパワーを行使し,目的に向けた相手の行動を促進することで,より広い空間において,成果産出を実現するスキル- 情報開発
情報の量と質および収集の効率性を高めるためのスキル- プレゼンテーション
関係者に対して,自分の意図やアイデアを簡潔かつ印象的に表明し,他者を説得していくスキル- タイムマネジメント
時間資源のもっとも有効かつ効率的な活用方法を設計し,成果産出の短期的生産性を極大化するスキル- セルフモチベーション
自ら動機付け,成果へつながる行動へと展開していくスキル- 仮説構築
情報を分析・加工し,個別の実行解(問題を解決する手法)を導き出すスキル
プロ人材となるために,上記の7つのスキルを磨いていく。
重要なのは,わかりやすい言葉で伝えることである。できるだけ平易な言葉を用いてシンプルに伝えることだ。(p. 132)
わかりやすい言葉を選んで,丁寧に伝えることを心がける。
「『工場長が言う通りにやったのに失敗したんだから,工場長の責任です』なんていうのは卑怯です。
上司の指示に納得したら,自分でそしゃくして吸収した上で,本人の着想を生かしてアレンジすればいい。そうすれば自然と責任感が生まれるし,どんなプロジェクトでも自分の判断で楽しく取り組めるはずです。」(渡辺 捷昭)(pp. 171-172)
人に言われたことをただ実行するのではなく,自分の味を付け加えれば,仕事が楽しくなる。