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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

走りながら考える新規事業の教科書 今津 美樹

2020年8月9日更新

『A HANDBOOK FOR BUSINESS MODEL 走りながら考える新規事業の教科書』(今津 美樹,かんき出版,2016年8月22日)を読了。

明日,競争に勝とうとする自分たちにマッチするかどうかの答えは,市場と顧客に問うしかありません。ですから,たくさんの企業を拝見した経験から,まずは,自分たちで考え,実践する力をつけることを急いだほうが正攻法と考えています。(p. iii)

自分たちで仮説をつくり,顧客に問う,それでしか答えは見つからない。

活動を通じて勝ち得た経験や実績など属人的なものをいかに資産化していくかも重要な観点となります。企業や組織の資産として継承するには,マニュアルやデータベースなどのシステム化も重要な要素になります。(p. xx iii)

属人的なものを,いかに残していくか。
マニュアルやデータベースなどのシステムが残したい。

新規事業成功のための最初のステップ(pp. 2 - 4)

  1. 明確な目的を共有する
  2. 進め方をオープンにする
  3. 必要なメンバーを集める
  4. 最適なツールを利用し作業を効率化する

まずは,明確な目的を共有することが一歩目。

たとえば,自分たちが現状の技術やノウハウ,リソースを使って,ターゲットの市場に切り込めるかを調べるためだとするなら,先行しているサービスを徹底的に調べる必要があります。

メインの顧客層,サービスの提供機能,価格,売上規模など,核となる部分だけでも調べておくことが必要です。(p. 32)

先行しているサービスを調べておかないと,これから始めるサービスの立ち位置がわからない。

改善するためのアイデアは,いくら机上で考えても限界があります。必ず,現場のフィールドで生の声を聴く癖をつけることを心がけてください。これが今より一歩前に進む最大のヒントになります。(p. 59)

現場のフィールドで生の声を聴く(ヒアリングする)ことが,新しい気づき・仮説を与えてくれる。

実は,こうした顧客の抱えた過大に迫るときに有効な手法が「ヒアリング」です。そのため,先に共感マップや VP キャンバスから仮説を導きました。それをベースに「ヒアリング」を行い,顧客が抱える課題と仮説のギャップや整合性を確認しておくことで経験に基づく勘や人的なノウハウだけに頼ることなく,顧客に適切な価値を提供していこうというやり方をお勧めしています。(p. 60)

共感マップや VP マップで,新しいサービスが顧客に与える価値を整理する。

つまり,必ずしもサービスの内容の充実や価格を下げるのではなく,顧客のバイイングプロセスを理解することで,顧客の障害を取り除き,背中を押すことで購買を促すことができることもある点に気づくことが重要です。(p. 69)

顧客は何をきっかけにサービスを買うのか,把握できればサービスが売れる。

7 つの質問に点数をつける(pp. 124 - 125)

  1. スイッチング(乗り換え)コスト
  2. 継続収入
  3. 売上とコスト発生のタイミング
  4. 革新的なコスト構造
  5. 外部の助けによる価値創造
  6. 規模拡大
  7. ライバルへの障壁

新しいサービスが,本当に受け入れてもらえるか,チェックしてみる。

「価値創造を目指すイノベーションとオペレーションの生産性向上を目的とする変革との 2 軸を中心に推進しており,後者についてはシックスシグマを導入し業務改革を実践してきました」(株式会社東芝 経営企画部 経営変革統括責任者 村永 哲郎 氏)(p. 140)

価値創造と生産性向上は表裏一体。

ビジネススタート時のキャンバスがあれば,その履歴などを準備します。現状を表したキャンバスとの違いを比較するために役立ちます。仮説・検証を繰り返すビジネスモデルジェネレーションでは,必要に応じてどんどんビジネスモデルをアップデートします。そのため,直近のプロジェクトメンバーが,スタート当初の背景や当初の製品やサービスの設計思想を継承していないこともあります。(p. 150)

ビジネスモデルはアップデートされていくので,その履歴を残しておく。

顧客の課題や仕事の全容が理解できればできるほど,より大きな範囲でのサービスやソリューションの構築の可能性が出てきます。(p. 193)

顧客の課題をしっかり把握できれば,サービスやソリューションを描くことができる。

人材育成のためのアイデアソンで期待できる効果(p. 226

  1. 課題領域への理解
    地域や社会全体が抱える課題,事業者やある特定領域における課題解決を図ったり,未来の新しいニーズを描き,実用性のあるビジネスを目指すためのプロセスを体感する。
  2. データ・技術連動の発想の定着
    ある特定のデータや技術をもとに,その改善や新たな活用方法,新たな価値を生み出すサービス・商品のプロトタイプを開発。ビジネスとしての実現性や顧客ニーズへのアプローチ方法を把握する。
  3. コミュニケーション・提案力の強化
    チームでの協働や組織を超えたネットワークの形成,異業種との交流の中で会議やプロジェクトのファシリテーション力の習得,および発表,プレゼンスキルなど提案能力を強化する。

新規事業を考えるためには,課題領域への理解が必要だし,データ・技術連動の発想も必要だし,コミュニケーション・提案力も必要。
ものすごく大変だけど,得られるものは大きい。

走りながら考える 新規事業の教科書

走りながら考える 新規事業の教科書