2020年8月1日更新
『「60 分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション』(加藤 彰,PHP 研究所)を読了。
目標設定の段階から「いよいよ決まらなかったらどうするか」を参加者に提示し,必要なら皆で討議して,合意しておくことが有効です。
これを交渉の世界では BATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)と呼んでいます。交渉が成立しなかった場合の最良の代替案です。(位置 No. 286)
最良の代替案を用意しておく。
一貫性を損なう犯人:バイアス(位置 No. 739)
- 確証バイアス
自分の仮説に合った,都合の良い情報ばかりに目が行く- 代表性バイアス
(実は)一般的でない事例を代表的であると考える- 利用可能性バイアス
思い出しやすいことを過大評価する- 後知恵バイアス
物事が起きてから,それに理屈をつけて正当化する- 自己奉仕バイアス
成功は自分の手柄とし,失敗は外的要因のせいにする- 楽観バイアス
災害や事故が自分の身に降りかかる確率を過小評価する- 過剰評価バイアス
発生確率の低い現象を過剰に警戒する- 一貫性バイアス
一貫したストーリーを聞くと信じてしまう
バイアスがかかっていないか,チェックしよう。
因果が飛躍していたら,丁寧につなぐ
曖昧な表現を具体化し,因果を丁寧につなぐ(位置 No. 755)
飛躍しないように,丁寧につなぎ,論理的に説明できるようにしよう。
ここまでの議論を全員でふりかえってみよう(位置 No. 1039)
- ここまでの議論の流れと現時点の状況
- 重要ポイント
- 議論の構造
- ここまでの決着点
議論の振り返りは,認識のすり合わせでもある。
こういう現象を総称して「グループシンク」「グループシフト」と呼びます。集団にはそういう癖(衆愚)があることを知っておくと,対応力が高まると思います。(位置 No. 1283)
衆愚にならないように,集団の特性を知っておく。
議論を軌道修正し,必要な意見を引き出すには,こちらから「押してみる(PUSH)」ことも重要なのです。特に,議論の進め方に関してはこちらが主張してもよいでしょう。そして発言が出始めたらスッと引いて(PULL),皆の主体性を尊重します。「押したり,引いたり」の両方を使ってください。(位置 No. 1516)
押してダメなら引いてみる,引いてダメなら押してみる,を繰り返す。