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富の不均衡バブル 2022 年までの黄金の投資戦略 若林 栄四

2020年6月10日更新

『富の不均衡バブル 2022年までの黄金の投資戦略』(若林 栄四,日本実業出版社,2014年6月20日発行)を読了。

「所得水準は“つくった量=供給”ではなく“売れた量=需要”によってきまる。需給を一致させる市場の価格メカニズムは十分に働かない。したがって政府が市場に介入して需給を調節する必要がある」というのがケインズの基本姿勢である。(p. 30)

需給バランスを調整する能力が,本当に政府にあるのだろうか。

 もともと国の成り立ちからして,常備軍を持たない代わり,いったん緩急あれば一般国民が銃をとって立ち上がるというミリシア*1の発想から,一般国民の銃の保有を制限しないという憲法修正条項があり,それを盾にとって銃規制を骨抜きにする NRA*2 と,その NRA 参加者の票をあてにする共和党議員といった構図で,銃は野放しである。

銃規制が骨抜きにされる背景。

 米国のように人種や学歴のディバーシファイ(diversify:多様化)が進んでいる国で,いろいろなものを平均して数字を出すのは,多様な現実を解析する何の役にも立たない。(p. 88)

多様化が進めば,他人と比べるのは無意味になる。

 ユーロなる共通通貨の根源的な欠点はいろいろいわれているが,別にユーロに限らず,一般的に人間の英知や善意を基礎に設計されたシステムは成功するはずがない。
 日本外交の失敗などはその好例であろう。歴史的事実はさておき,交渉の過程で相手国の英知や善意をあてにして,政府談話を発表したりすると,そのときはよいが後で必ず既成事実として悪用される。性善説は政治外交の世界では禁忌である。国益を損なうのである。(p. 198)

外交で失敗を繰り返すのは,国と国の交渉も,人と人の交渉と同じ。
人と人が決して分かり合えないように,国と国も決して分かり合えない。

 投資をしないこと――非投資――ディスインベストメントの時代がデフレである。
 その現金の究極の形が金なのである。金はスーパー・キャッシュなのである。
 デフレ時代は現金が王様だといっても,その発行元である国や中央銀行に対する信用リスクがなくなるわけではない。(p. 213)

デフレとインフレの指標として,金の価格が最適かもしれない。

富の不均衡バブル

富の不均衡バブル

  • 作者:若林 栄四
  • 発売日: 2014/06/19
  • メディア: 単行本
 

 

*1:正規の軍人ではない民間人を軍事要員として編成した武装組織のこと。

*2:全米ライフル協会。National Rifle Association of America