2020年5月31日更新
『サイコパス』(中野 信子,文藝春秋,2016年11月20日発行)を読了。
サイコパスは,他人がどうなろうと,その相手を思いやるということはありません。論理的な思考や計算はできますが,他者への共感性や思いやり,恥の意識,罪の意識がすっぽり欠落しているのです。(位置 No. 186)
他者への共感性,思いやり,恥や罪の意識が欠落している人は,身の回りにいないか。
サイコパスは,第一印象がとても良いのです。礼儀正しく,タレント性があり,人によっては無邪気にすら見えます。簡単に相手の信頼を得ることができるのが,彼らの特徴なのです。(位置 No. 310)
第一印象に惑わされてはいけない。
たとえば「不倫はよくない」とされます。しかしなぜよくないのか,突き詰めると,説明できる人は多くないと思います。イヤな思いをするから?ではなぜイヤな思いをするのか,なぜ他人がイヤな思いをすることはダメなのか,と問いを掘り進めていくと,どこかで「イヤだからイヤ」という同語反復,堂々めぐりに突入していきます。なぜ生理的に嫌悪感を抱くのか,感覚的にイヤであればなぜしてはいけないのかということの先に行こうとすると,行き詰まりを感じ,思考停止してしまう人が大半ではないかと思います。(位置 No. 1566)
感覚的なイヤは,重視すべきか。
理にかなっていないような感覚的なイヤは,排除してもよいか。
ミーリーの研究には説得力があります。飢餓の際には,自分の利益を最優先して他人の食べ物を奪ったり盗んだりする個体のほうが生き残ったでしょう。言葉巧みに複数の異性をたぶらかす個体は,たとえ本人が処罰されたり復讐によって殺されたとしても,厳格に一夫一婦制を守っている個体よりも子孫を残す確率は上がるでしょう。(位置 No. 1611)
子孫を残すことを重視すれば,ルールを守らない方が有利となることもある。