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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

企業参謀 戦略的思考とは何か 大前 研一

2020年4月25日更新

『新装版 企業参謀 戦略的思考とは何か』(大前 研一 著,プレジデント社,2014年10月1日 第5版)を読了。

物事の本質を考えるときには,どうしてもこの「混然一体」としたものを解きほぐすことが必要である。そして,解きほぐされた個々の要素が全体に与える影響というものを理解することが必要なのである。(位置 No. 231)

 解きほぐすことは,「因数分解する」ということか。

「戦略的」と私が考えている思考の根底にあるのは,一見混然一体となっていたり,常識というパッケージに包まれてしまっていたりする事象を分析し,ものの本質に基づいてバラバラにしたうえでそれぞれの持つ意味あいを自分にとって最も有利となるように組み立てたうえで,攻勢に転じるやり方である。(位置 No. 279)

バラバラにした上で,それぞれの意味を考え,再構築する。

冷静な分析と人間の経験や勘,思考力を,最も有効に組み合わせた思考形態こそ,どのような新しい困難な事態に面しても,人間の力で可能なベストの解答を出して突破してゆく方法であると思う。(位置 No. 289)

どんな困難な事態でも,思考して,立ち向かっていく。

漫然とした改善策を拾うような設問ではなく,解決策につながるような設問のしかたを常に発せるように訓練し,心がけておくことが大切である。(位置 No. 375)

目の前の改善策を拾わず,本質的な解決策は何かを見出せるようにする。

設問を解決策志向型にすることによって,物の本質に迫る解決策というものを出す場合,設問が的を射ているためには,問題点そのものがすでに正しく把握されている必要がある。(位置 No. 385)

問題点を整理できなければ,解決策は見いだせない。

参謀五戒(位置 No. 1707)

  1. 参謀たるもの「イフ」という言葉に対する本能的恐れを捨てよ
  2. 参謀たるもの完全主義を捨てよ
  3. KFS*1 については徹底的に挑戦せよ
  4. 制約条件に制約されるな
  5. 記憶に頼らず分析を

参謀五戒は,普段の仕事をする上でも心掛けておきたい。

このような考え方をとことんまで追求すれば,広く思考を分散した場合より,ずっと今まで他人の至り得なかった領域に入れる可能性が高まる。世の中には,煮つまっていない問題が山積しているからである。(位置 No. 1824)

世の中にある,煮つまっていない問題は,メシのタネともいえる。

こうして,研究所に,内容を理解しないマネジメントの圧力が,質ではなく量としての拘束条件となってのしかかってくる。研究報告書のページ数,特許登録の件数,外部発表の件数などによって研究員の評価がされるようになり,研究員をますます象牙の塔に追い込むようになってしまう。(位置 No. 3683)

研究のことをよく理解していなければ,研究所をマネジメントする役員にはなれない。

こうして,機能別に分権化されている場合には,多くの専門バカが発生し,「この事業」はどうすればもっと金が出てくるのか,シェアを増やせるのか,などについて統一した見解にまとめ上げる「権力」あるいは「頭脳」が存在しなくなってしまう。分権化ということは,中央でそれを管理できる力があってのことで,遠心力だけでは企業体がバラバラになってしまう,という最も根本的な物理原則が意外と理解されていない。(位置 No. 3694)

分権化や分社化は,遠心力が働いていく。
その遠心力でバラバラにならないように,しっかり引っ張れる何かがほしい。

 

*1:Key Factors for Success = 成功のカギ