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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

スーパーヒューマン誕生!人間は SF を超える 稲見 昌彦

2020年4月18日更新

『スーパーヒューマン誕生!人間は SF を超える』(稲見 昌彦 著,NHK 出版新書)を読了。

HAL のキーテクノロジーといわれているのは,人間からパワードスーツへの入力をスムーズにする「筋電センサー」だ。筋電センサーとは,人間が筋肉を動かすときに生じる微小な電圧を計測するセンサーのことを指す。このセンサー技術と,得られた信号を処理する技術が飛躍的に向上したのだ。(位置 No. 428)

「筋電センサー」が HAL*1 のパワードスーツのキーテクノロジー

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結果として,ディレイがゼロだったときにはくすぐったく感じなかった人も,ディレイが 0.2 秒を超えたところでくすぐったく感じ始めたということがわかった。つまり,自分で操作していたはずの身体が,わずかな時間の遅れが入ることで,自分の身体ではなくなってしまったということだ。この実験により,人間が自分の身体だと感じる境界線は空間だけではなく,時間方向にも存在している可能性が示唆された。(位置 No. 920)

自分の身体を動かすときは,ディレイなんてまったく感じない。

パワードスーツにしても,ウェアラブル・コンピュータにしても,拡張された身体を自在に操ればいいのだ。身体のように自在に操れる道具を生み出すことこそが,人間拡張工学の目指すところなのだ。(位置 No. 1039)

少子高齢化により,人口は減っていくのだから,残された人間をパワーアップさせて,今の暮らしを維持していく,という道もある。

三次元映画とコンピュータゲームの良い点を総合し,「三次元の空間性」と「実時間の相互作用性」,それに加えて,「自己投射性(自分がその中に入り込んでいる感覚)」の三要素を有したものがバーチャルリアリティなのである。(『バーチャルリアリティ入門』,ちくま新書,2002 年)

バーチャルリアリティは,

  • 三次元の空間性
  • 実時間の相互性
  • 自己投射性(自分がその中に入り込んでいる感覚)

の三要素を有する。

テレイグジスタンスは同じ人間が場所を隔てて同時に実在することで,課題を解決しようとするものである。たとえば,現在いちばん進んでいるのは,後述するような医師が遠隔地にいながらにして診察を行う遠隔医療システムだ。ロボットや人工知能ではできないタスクを,人間があたかも実在しているような環境を整えることで行うのがテレイグジスタンスである。(位置 No. 1483)

医療のほかに,ロボットや人工知能ではできないタスクはあるか。

 

*1:Hybrid Assistive Limb. 身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる,世界初の装着型サイボーグ。