2020年4月13日更新
『社内外に眠るデータをどう生かすか データに意味を見出す着眼点』(蛭川 速*1,宣伝会議,電子版発行:2018年2月20日)を読了。
数字は正直です。ここで言う数字とは,Fact データやアンケートデータを指します。しっかりと整備されたデータから,学び取ることはたくさんあります。そのために必要なこと――。それは,「重要な価値あるデータを見つけること」,「そこから意味を見出すこと」,そして「アクションに繋がる仮説を立てること」の 3 点です。
データを見つけ,そこから意味を見出し,アクションに繋げる仮説を立てる。
人を使うことに抵抗感を抱いてはいけない。悪いとか,偉そうだとか考えるな。課長とはタスクを預かる責任ある立場だ。だから部下を動かして着実に成果を上げなくてはならない。
課長になれば,部下を動かして成果を上げることが仕事。
Fact をもとにしている
- 仮説はアイデアを生み出す前提となる「顧客の状況を想定する」こと
- Fact をベースに思考を展開することが必要
「顧客の状況を想定する」といっても,なかなか想定通りにはならない。
コンセプトを構成する 4 つの要素
- ターゲット 誰に対して価値を提供するか
- ニーズ どのような不具合,欠乏に着目するか
- 商品・サービス 価値を提供する手段
- ベネフィット 結果として顧客が享受するもの,便益
ターゲット,ニーズ,商品・サービス,ベネフィットを問い続け,コンセプトをつくり上げていく。
「何か考えることがあると,周囲に構わずひたすら考える努力をすることができる。それが世紀の大発明を生み出すということなんだ。どれだけ問題を解決するアイデアを出せるかどうかにかかっている。アイデアの量と革新性は相関する」
ひたすら考えなければ,革新は生まれない。
イノベーション普及理論
イノベーターになれなくても,アーリーアダプターにはなりたい。
Finding は辞書で引くと,「発見物・所見(医療)・事実認定(裁判)」と出てくる。データ分析では,「Fact から何が言えるのか解釈を加えたもの」と定義付けられる。
Fact と Finding の関係を整理すると,いくつかの Fact から集約して「要は何が言えるのか」を考える「集約解釈の Finding」,Fact が何故もたらされたのか要因を探る「要因背景の Finding」,Fact が続くと今後どのようになっていくか予測をしていく「予測の Finding」の 3 つの切り口となる。
「要は何が言えるか」ということを考え続ける。
最後に私が最も大事だと思うのは,発想を豊かにしなければ人々の心を打つ企画を立てることができないということです。発想というとデータ分析の対局にあるキーワードと思われがちですが,分析作業は左脳をフル活用して論理展開するだけではなく,右脳を駆使して要因や背景を探索したり,将来予測したりと「両極の脳を使って考える」ことが必要なのです。
両極の脳を使って,発想する。