2020年3月22日更新
令和二年 大相撲三月場所 十四日目 結びの一番は,鶴竜(西横綱,11勝2敗)と朝乃山(東関脇,10勝3敗)である。
朝乃山の右上手投げと鶴竜の左下手投げの打ち合いとなり,もつれた相撲。
行事軍配は朝乃山だったが,物言いがつき,協議の結果,行事差し違えで鶴竜の勝ちとなった。
勝敗を分けたのは,やはり朝乃山の立ち合いの甘さと言ってよいだろう。白鵬のように,多彩な立ち合いは必要はないと思うが,せめて 2 種類ぐらいは持っていたほうがよかろう。(北の富士)
一方,白鵬(東横綱,11勝2敗)は碧山(西前頭十三枚目,11勝2敗)の突き放しを退け,最後は左からの上手投げで12勝2敗とした。
「大事な一番での集中力に長ける」という尾車親方(元 大関 琴風)のコメント通り,優勝に向けて集中力は一段と高まっているように感じた。
千秋楽相星決戦へ
令和二年 大相撲三月場所 千秋楽は,白鵬(東横綱)と鶴竜(西横綱),12勝2敗同士の相星決戦となった。
千秋楽相星決戦は,平成25年11月以来である。
白鵬は無言,鶴竜は「ただただ集中していく」と語る。
異例の無観客場所は,番付最上位の 2 人が賜杯を争う最高の形でクライマックスを迎える。
なお,千秋楽相星決戦,白鵬は 4 回目(1 勝 3 敗),鶴竜は初である。
意外にも白鵬は,千秋楽相星決戦で負け越している。
明日,白鵬はどんな相撲を見せるのか楽しみだ。
(参考)白鵬の千秋楽相星決戦
大関取りへまだ諦めるな
朝乃山の内容は悪くなかったが,本人は「負けは負けなんで」と語る。
大関の枠は一つ空いているとはいえ,横綱戦 2 連敗は,やや印象が悪いか。
昨日は白鵬に圧倒されたが,今日の鶴竜との一番は,もつれたいい勝負であり,それをどう評価されるか。
今日の負けで,大関昇進目安の 12 勝に届かなくなったが,審判部 部長代理 境川親方(元小結 両国)は「相撲内容は充実し,誰にも真っ向勝負するのが魅力。好感が持てる」との評価を与え,明確に大関昇進が消えたとは言わなかった。
今場所は 38 年ぶりの一人大関,角界では新大関誕生が切望されている。
いずれにせよ,明日の貴景勝(東大関,7勝7敗)戦,相手も勝ち越しをかけて望んでくる。
いい内容で勝利し,審判部の判断*1を待ちたい。