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見える化 強い企業をつくる「見える」仕組み 遠藤 功

2020年5月12日更新

見える化 強い企業をつくる「見える」仕組み』(遠藤 功*1東洋経済新報社,2005年10月20日発行)を読了。

見える化」とは……

「可視化」「目で見える管理」といった言葉も使われるが,要は企業活動のさまざまなものを「見える」ようにする試みである。

見える化」は現場力の中核コンセプト。それを整理・体系化できれば,現場力の一段の強化のつながるはずだ。

2005 年から 15 年。
どれだけ,企業活動は見える化されているだろうか。

  • 序章 「見えない現場」と「見える現場」
  • 第 1 章 「見える化」とは何か
  • 第 2 章 「見える化」の体系と事例紹介
  • 第 3 章 「よい見える化」を実現するために

「成長している時は問題点が潜在化して見えなくなる。開発や調達,生産,販売など各部門が抱えている兆候を『見える化』し,何が足りず何を補強すべきなのかを明確にする」(トヨタ自動車 渡辺捷昭氏)(p. v - vi)

問題点が潜在化しないように「見える化」する。

企業経営はシンプルだ。見えていない現場は壊れる。見えている現場は創れる。
「見える」こと――それは企業活動の根源的な競争力であり,生命線なのである。(p. 5)

見えなければ,解決策を考えるきっかけがない。

問題解決の PDCA(p. 31)
Problem-finding(問題を発見する)
現場における問題や異常を感知する。
Display(問題を「見える」ようにする)
感知した問題や異常を告知し,その存在を関与する人全員に「見える」ようにする
Clear(問題を取り除く)
問題や異常の存在を認知した人たちが,知恵を出し合い,協力して問題を解決する
Acknowledge(問題解決を確認する)
実施した対策が効果を上げ,問題や異常が解消されたことを確認する

問題解決の PDCA を意識する。

不同視を企業に当てはめて考えると,ある事象が本社と現場では違うように見えているとか,部門によって見え方が異なるといった症状と類似する。同じものを見ていながら,同じようには見えていない,認識されていないことから,さまざまな障害や摩擦が生じる可能性がある。(p. 46)

本店と現場の不同視がないように,現場を知る。

IT による「見える化」の多くは,「見てくれるはず」という甘い期待を前提にした仕組みである場合が多い。「見よう」という意思のある人にとっては,それはきわめて有効な仕組みだが,大多数の見る意思のない人間にとっては,「見ない化」「見えない化」になってしまうリスクを抱えている。(p. 53)

IT による「見える化」は「見ない化」「見えない化」と心得る。
見て欲しいことはしっかりと発信する。

そして,提案書は記入項目を最小限に抑え,「内容」よりも「シグナル」を発信させることの重要性を強調したのである。現場のリーダークラスに対する意識付け・教育を繰り返し行い,提案が数多く上がる職場を表彰する制度も導入した。(p. 102)

提案が上がってくるところからすれば,内容がなければ手間が増えると感じる。しかし,それでは情報が上がってこない。「シグナル」程度の認識で,それを汲み上げる。

ともすると,ベテラン技術者が思い付いた解決策や結果だけを「解決策」として「見える化」しようとしがちだが,取り組むテーマや環境が異なるので,こうした「過去の成功体験」が直接的に役立つことは稀である。ベテラン技術者の思考回路を解析し,「考える道筋を見える化」することこそが,技術継承のための最も重要なヒントとなるのである。(p. 156)

なぜ,そうなったのか,過去の人たちの思考回路を紐解き,考える道筋を見える化する。

鉄道事業の安全確保のために日々使われているルールや設備は,すべて過去の痛ましい事故の経験や反省にもとづいて出来上がったものである。紙に書かれたルールや設備の取り扱い方だけを学んでいたのでは,本質を学んだことにはならない。重要なのは,「どうしてそのようなルールが生まれたのか」「どうして新しい設備が開発されたのか」という生々しい背景を理解することである。(p. 164)

電気事業の安全確保のために日々使われているルールや設備でも,同じことがいえる。

人間に失敗はつきものだ。失敗から学習して,人間は成長する。もちろん大きな失敗は避けなければならないが,小さな失敗は人づくりの「栄養分」である。小さな失敗があったからこそ,大きな失敗が防げた事例は枚挙に暇がない。(p. 196)

小さな失敗で大きな失敗を防ぐ,その意識を持つ。 

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

 

*1:早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。株式会社ローランド・ベルガー取締役会長。早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士MBA)。三菱電機株式会社,米系戦略コンサルティング会社を経て,現職。