Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

総理にされた男 中山七里

2020年2月24日更新

『総理にされた男 A man who was made to become the prime minister』(中山七里,宝島社,2018年12月20日 第1刷)を読了。

「わたしは,公務員の方々の働きを評価しています。国民性もあるでしょうが,この国の公務に携わっている方々は,皆勤勉で,真面目で,優秀な人ばかりです」

「しかし,真面目で優秀であるがゆえに,自身の組織の利益に固執してしまう傾向があります。これは利己主義云々の話ではなく,肥大化と自己防衛が組織というものの本質だからです。この組織防衛の論理が,今日の縦割り行政を作ってしまったきらいは否めません。(p. 237)

肥大化と自己防衛が組織というものの本質,というのはすごく納得。

「信条よりは心情を,論理よりは倫理を優先させる国民性とでも言えばいいのでしょうかね」(p. 299 - 300)

信条と論理だけでは,国民はついてこない。
国民の心情と倫理を考慮する。

「なぜなら,自衛官が国民から歓迎され感謝される時は,外国から攻撃されて危急存亡の秋か国民が困窮している時だ。自衛官は日陰者である時の方が国民や日本は幸せなのだ……。これは吉田茂元首相の言葉です。我々防衛族には切ない言葉ですが,わたし自身入隊指揮の訓示で述べることでもあります」(p. 396)

 自衛隊は日陰者である,というのはなんとも切ない。

総理にされた男 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

総理にされた男 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者:中山 七里
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2018/12/06
  • メディア: 文庫