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知性とは何か 佐藤優

2020年1月14日更新

『知性とは何か』(佐藤優祥伝社新書,2015年6月10日発行)を読了。

歴史を中途半端に学ぶと,自分が所属する民族に都合がいい物語を信じ,代弁することに生き甲斐を見出すようになり,反知性主義の罠に落ちてしまう。そうなるとナショナリズムを原因とした戦争を引き起こす可能性が高まる。(p. 78)

歴史を学ぶときは,自分が所属する民族の視点だけでなく,相手の民族の視点にも立ってみる。
都合よく歴史を解釈しない。

「客観性,実証性を軽視もしくは無視して,自分が欲する形で世界を解釈する」という態度は,「自分を騙すという能力」でもある。(p. 115)

人間特有の能力だが,時として自分を騙していることすら忘れてしまう。

反知性主義者は,閉ざされた世界の中で自己充足しているので,外部を持たない。本質において,対話が不可能なのである。(p. 146)

外部を持ち,対話する。
決して自分の中だけで留めない。

日本の情報力,外交力を強化するために対外インテリジェンス機関を創設することが焦眉の課題になっている。骨太のインテリジェンス機関を形成するためには,秘密情報を盗んでくる工作員よりも,情報を正確に評価し,近未来のシナリオを提示できるアナリスト(分析専門官)を養成することが重要だ。(p. 170)

日本にも,会社にも,近未来のシナリオを描くことができる人財が求められている。

日本の官庁や企業でも,「人は椅子(ポスト)で仕事をしている」というのが現実だ。(p. 175)

私自身も会社の名前,所属部署の名前で仕事をしている。
会社から離れたとき,仕事を続けていくことができるだろうか。

実は,自分が理解できることとそうでないことを仕分けするのは,反知性主義に足元を掬われないようにするために,重要な技法である。なぜなら,反知性主義者の特徴が,自らが理解できていない事柄であっても,自分が欲する形で真理をつかんでいると確信しているところにあるからだ。(p. 202)

自分の理解できる範囲か否かを線引きしておく。
理解できないことは,自分だけで解釈せずに,教えを請う,問いかけることにする。

「要約すると,長い目で見て賃金を上げ賃金格差を減らす最善の方法は,教育と技術への投資だ。結局のところ,最低賃金と賃金体系によって賃金を 5 倍,10 倍にするのは不可能だ。そのような水準の達成には,教育と技術が決定的な効力を持つ」(ピケティ)(p. 246)

教育技術への投資が重要だということについては異論なし。

知性とは何か(祥伝社新書)

知性とは何か(祥伝社新書)

  • 作者:佐藤優
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2015/06/01
  • メディア: 新書