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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

政治家の殺し方 中田宏

2020年1月12日更新

『政治家の殺し方』(前横浜市長 中田宏幻冬舎,2011年10月25日発行)を読了。

辞任当時,レームダックを説明しても理解してもらえなかったが,いま多くの人は理解できるだろう。菅直人前首相が退陣の意向を表明してから,野田首相に代わるまでの丸 3 ヵ月,内閣はまるで機能せず,レームダックという言葉もすっかり定着したからだ。(p. 74)

菅直人レームダックとなっていたことは,日本にとってはよかったという一面もありそう。

常に動き続ける現実の中で実務に当たっている人からすれば,マスコミは「お気楽な商売」なのだ。マスコミ人が持つ批判精神は否定しない。だが,実務にあたる人たちは日々,真剣な思考と判断を重ねているのだ。そうしたプロセスや生み出された結果に対する謙虚さをマスコミには持ってもらいたい。(p. 86)

批判するのは誰でもできる。
批判だけではなく,建設的な意見をマスコミには持ってもらいたい。

たとえば,問題点を自ら発見しても改善しようとしない。議論が分かれることや一部が嫌がることには着手しない。いざ改善しようとすると,法律や前例という壁が立ちふさがる。とても組織のガバナンスが機能しているとはいえない。個人としてはお咎めがあっても給料が下がるわけではないという開き直りがあり,労働組合は組織の経営状態(財政状況)は気にせずにこれまでの既得権を守ろうとする。こうした構造のなかで,役所内部の見直しをしていくというのは実に骨が折れることなのだ。(p. 128)

既得権を守ろうとするのは人間の性である。
強力な力がなければ,既得権を守ろうとする勢力に押しつぶされてしまう。

「世の中,きれい事ばかりじゃうまくいかないよ。正論ばかりで相手を追い込んでしまうと,その人の居場所がなくなってしまう。息の根を止めるところまでやっちゃいけない」(p. 139)

きれい事だけでうまくやりたいが,うまくいかないことが多い。
だから清濁併せ呑む。

当選しなければ,議員という立場を得られないのはその通りだが,当選を絶対要件にしているから,反対が予想されることは言わなくなる。人に嫌われたくないから,相手に迎合するようなことばかり言う。本気で政治に向き合おうとしている人は少数だ。(p. 164)

選挙されない人による超有識者会議があってもいい。

自立があって,はじめて他国との協力関係が成り立つ。日米が価値観を共有し,共に自立しているもの同士だからこそ,安全保障体制を構築することができるのだ。それは,アメリカだから成り立つ話でもある。民主主義と資本主義という価値を共有しているから,安全保障が成り立つのであり,現状において価値観の異なる中国とは成り立つはずがない。(p. 194)

大人と子どもでは契約を結べない。
日本は自立し,他国と対等な関係となる。

働かずに生きていくことを肯定してしまうような福祉は,本当の福祉とはいえない。(p. 195)

働かざるもの食うべからず,弱者に対して厳しくなろう。

我が国を立て直す,何よりの基本は自立することに尽きる。個人も会社も地方も,自分でできることは自分でする。その精神が根本にあった上で,できないことを補完する社会を目指したい。(p. 196)

自立した人たちが支え合う社会を目指す。
自立していない人に,支援はするが支えることはしてはいけない。

政治家の殺し方

政治家の殺し方

  • 作者:中田 宏
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/10/26
  • メディア: 単行本