2019年12月27日作成，2021年7月18日更新
2019年11月場所で 43 回目の幕内最高優勝を果たした後，白鵬*1は，優勝 50 回を目指すことを宣言した。
優勝 50 回という数字について白鵬本人は，「東京五輪後もモチベーションを保っていくため，あえて大きく出た」と語っている。
優勝 50 回は空前絶後の記録であるが，現実的に可能なのだろうか，という疑問が本稿執筆の動機である。
よって本稿では，白鵬の優勝回数の推移の回帰線より，優勝 50 回に到達する時点（白鵬の年齢）を予想する。
合わせて，優勝 50 回達成したときにおける白鵬の幕内通算勝ち星も予想する。
まず，白鵬の年齢と幕内優勝回数および幕内通算勝ち星の関係を以下に示す。
幕内優勝回数，幕内通算勝ち星それぞれの回帰線を合わせて示す。
なお，年齢による衰えを考慮し，回帰の種類は「対数」としたが，回帰線の決定係数（R2）は，幕内優勝回数で 0.98，幕内通算勝ち星で 0.99 と高く，「対数」で回帰することは妥当であると考えられる。
年齢と幕内優勝回数の関係
白鵬の年齢を横軸に，幕内優勝回数を縦軸にした，年齢と幕内優勝回数の関係を下図に示す。
白鵬の幕内優勝回数の回帰線（f(x) = 85.76 ln(x) - 766.45）より，幕内優勝 50 回となる年齢を求めると，「37 歳 4 ヶ月」となった。
白鵬は 1985 年 3 月 11 日生まれで，2019年12月時点では 34 歳である。
あと 3 ～ 4 年，現役を続けることができるのであれば，幕内優勝 50 回も決して夢ではないと考えられる。
一方，横綱最年長の優勝記録は，千代の富士の 35 歳 5 カ月であり，今後も同じように優勝を積み重ねていくのは，容易ではないと考えられる。
年齢と幕内通算勝ち星の関係
白鵬の年齢を横軸，幕内通算勝ち星を縦軸にした，年齢と幕内通算勝ち星の関係を下図に示す。
幕内通算勝ち星の回帰線（f(x) = 1892.82 ln(x) - 16815.35）より，幕内優勝回数 50 回に到達する「37 歳 4 ヶ月」時点の幕内通算勝ち星を求めると，「1,204 勝」となる。
2020年4月追記 東京オリンピック延期の影響
新型コロナウィルスの影響でオリンピックは 1 年延期されることになった。一方，2020年3月場所，44 回目の優勝を果たした白鵬。
2021年7月開催の東京五輪まで，白鵬が優勝 50 回を達成している，というのは決して夢物語ではない。
2021年7月追記 45 回目の優勝
2021年7月場所，白鵬は 45 回目の優勝を果たした。6 場所連続休場明けでの優勝であり，2020年3月場所から 7 場所ぶりの優勝である。
2020年4月時点では，2021年7月場所までに優勝 50 回を達成しているかも，と書いたが，1 回の優勝を積み重ねるまで 7 場所もかかってしまった。
白鵬が休場している間，照ノ富士が復活を遂げ，横綱に昇進することも確実となった。
闘志ある限り戦い続けるだろうが，肉体的にも限界は近い白鵬，幕内優勝 50 回を達成するというのは，極めて難しいと言わざるを得ないか。
