2019年12月22日更新
2019 年の白鵬は,右ひざの負傷,右腕の筋断裂,右手小指の骨折と相次ぐケガに見舞われ,本場所において 29 日(約 3 分の 1)を休場した。
それでも,三月場所は 15 戦全勝,十一月場所は 14 勝 1 敗で優勝し,さすがは角界の第一人者といったところか。
- 一月場所 10 勝 4 敗 1 休
- 三月場所 15 戦全勝 優勝
- 五月場所 15 休
- 七月場所 12 勝 3 敗
- 九月場所 0 勝 2 敗 13 休
- 十一月場所 14 勝 1 敗 優勝
ここに,白鵬の年間勝ち星の推移を示す。
2019 年は 51 勝と 2018 年の 31 勝より盛り返してきたものの,2015 年以降,年間勝ち星が徐々に減少しているように見える。
かつて,年間 80 勝以上をあげていた頃と比べ,力が衰えているのであろう。また,近年では,一年を通して土俵に上がることが困難となっている。
それでも,白鵬は「現役でいる以上,結果を残す」ということにこだわり,最近では,考えられた取り口の相撲が目立つ。
我々が想像する以上に,白鵬自身,自らの力の衰えを感じているのかもしれない。
十一月場所で優勝を決めた後,白鵬は「もう一度若手の壁になる」ことを宣言した。
2020 年,白鵬という平成の大横綱の壁を乗り越え,本当の強さを持った若手が育っていくのが楽しみだ。
2019 年の幕内力士の年間勝ち星上位の若手,朝乃山(25 歳),阿炎(25 歳),明生(24 歳)あたりに期待。
もしかすると,まだ幕内まで上がってきていない力士が急成長し,一気に白鵬の壁を乗り越えてしまう,そんなこともあるかもしれない。
追記(2019年11月26日)
「若手の壁になる」ことを宣言した白鵬,優勝 50 回を目指すことまで口にした。
年 2 回のペースで優勝できたとしても,あと4年。現実的には,非常に難しい目標かもしれないが,白鵬であれば,優勝 50 回も夢ではないか。
大相撲九州場所で4場所ぶり 43 度目の優勝を果たした横綱白鵬が千秋楽から一夜明けた25日,福岡市内で記者会見し,優勝 50 度を目指すと明言した。来年の東京五輪まで現役を続けることは公言してきたが,「2年後か3年後か分からないけど」と大きな目標を口にした。
(2019年11月26日,北國新聞)
追記(2019年12月22日)
2019 年 6 場所すべて幕内に在籍した力士の中で,1 番あたりの平均時間が最も長い「相撲を楽しんだで賞」は,白鵬だった。不戦勝,不戦敗を除いた出場 57 場所の平均は 13.8 秒で,2 位の逸ノ城より 0.6 秒長かった。
苦戦が多いと見ることもできるが,力任せの相撲ではなく,じっくりと確実な攻めを貫いていると捉えることもできる。