「各国通貨のインフレやデフレを加味した実効レートで考えるならば,昔の円高時に比べて 3 割は円安」(p. 13)
実効レートは,日常生活の中であまり実感がわかない。
(消費税を)5 % 上げて 10 % にすると菅首相が言っただけで,2010 年夏の参院選では民主党は大敗したのです。消費税 10 % 上げて 15 % なんて今の政府ではとてもやれません。(p. 54)
消費税増は,民主党が大敗した理由の一つかもしれないが,他にも色々な理由が思い浮かぶ。
これはつまり,今日本では多くの人がお金の使い道が他になく,銀行に預けておくようになっている,ということです。(p. 65 - 66)
お金を使いたくなるような欲求は,個人的にも減っている気がする。
今のように需要が不足している中で,政府がインフレターゲット論を持ち出すとしたら,それが日本経済破綻への引き金になりかねないと私は考えています。(p. 80)
安倍政権ではインフレターゲット論を持ち出しているが,今のところ日本経済は破綻していない。
現在,年に 10 兆円単位の金利を払っているわけですから,そこも含めて 10 年以内にバランスさせよう,というくらいの気持ちが必要なのです。(p. 155)
増税等による収入増を見込むのは困難。シンプルに考えれば,支出を減らしていくしかないと思うが,そうはなっていない。
事業仕分けを担当する行政刷新担当大臣は,部下がほとんどいない大臣です。そんな部下無しの大臣にやらせるのではなく,会計検査院か,会計検査院と合体させるような形で,仕分け専門の行政機関を作るべきです。(p. 161)
官による事業仕分けでは,どこまで踏み込むことができるか。
国会議員,地方議員,さらに公務員の働き方改革が進めば,それらの人を減らしていける。
昔はトウゴサンピン“10 : 5 : 3 : 1”という言葉がありました。これはサラリーマンは 100 % 所得を捕捉されているが,自営業者は 5 割,農林水産業者は 3 割,政治家は 1 割しか所得を捕捉されていない,という意味の言葉です。(p. 167)
サラリーマンからの税収を増やすのではなく,自営業者や農林水産業者からの税収を増やすという方向にはならないのか。
最近デンマークに行きましたが,所得税は最低でも 40 %,最高税率は 60 % だそうです。彼らは残業をするという習慣がないそうです。がんばって働くことや,目いっぱい働こうというインセンティブが少ないからでしょう。( p. 168)
社会主義と資本主義の区別が曖昧になりそう。
子ども手当で,ばらまいたお金が本当に子どものために使われればよいのですが,お金には色がついていませんから,おとうさんの飲み代や,おかあさんの衣装代に変わって分かりません。(p. 180)
お金をばらまくのではなく,教育をばらまきたい。
つまりオーストラリアの移民政策とは,貧困層の職を奪わないで,なおかつ国の発展に寄与するような技術や能力を持った人を移民として受け入れて,国を発展させようという方針なのです。(p. 184)
労働力不足を解消するための移民政策ではなく,技術や能力を持った移民に期待するのは,現実的ではないか。
ニートで行き場のない学生を,大学や専門職大学院という名目で抱え込んでいますが,正直に言って「馬鹿を余計馬鹿にしているだけ」と言わざるを得ません。(p. 191)
行き場のない学生の処遇は,どうすればよいか。
ドイツでは,マイスターの地位と博士の地位は同じようなものです。文化の違いがあるからかもしれませんが,技術のある人が尊敬されて,稼げるような仕組みにすればいいのです。(p. 192)
日本の職人のレベルが指標化されていないので,比較もできない。
自由に自分たちの国のあり方を選ぶ。そして,その選んだ結果を実現するために,協力に政策を推し進める,そのためには行政の単位を小さくするべきではないか,というのが日本政府に対しての最後の提案です。(p. 216)
小さな行政単位の政策の違いを,生まれた場所の行政を宿命と捉えて受け入れるしかないのか。
こうした個々のテクニック的なことは,色々な本に出ていますが,一番よくないのは,そうしたテクニックだけを丸飲みしえt,自分で考えて判断しないことです。(p. 218)
愚直なまでに,自分の頭で考え続けよう。
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