既得権益を無くすために,予算を全てリセットすることはできればよさそうだが,そんな簡単なものではないか。
公平性を重視するなら,消費税の税卑は上げて,低所得者への対策はそれとは別にバウチャーなどの現物給付を行うというのが一番望ましいと思います。(p. 75)
現金ではなく,食料を与えることで,現金がアルコールやギャンブルなどの娯楽に消えないようにできる。
Is the sky the Limit ? Can Japanese Government Bonds Continue to Defy Gravity ? (p. 103)
日本国債は暴落してもおかしくないらしい。
政府の本音は財政再建で,消費税率のアップや福祉のカットを精一杯アピールしたものの,野党が大反対して議論が紛糾する。そうやって国会が空転を続け,いたずらに時間だけが過ぎていくと,マーケットの信認をえるどころの話ではない。(p. 121)
ほとんどの場合,政府に対して反対の立場の野党は,日本をどうしたいのだろうか。
地方の住宅地は自然に還すか農地にし,人が暮らす場は都市部に集約する他ありません。そのようにして,国全体の政策を変えていく。(p. 198)
人のクラス場所をコンパクトにすれば,得られるメリットは計り知れない。いつかはやらねばならぬなら,できるだけ早くコンパクト化を進めてほしい。
いま,ハイパーインフレが起きるとすれば,政府が手厚い社会保障政策を行っているにもかかわらず,それに見合った税制を構築せず,代わりに国債を発行したり,国債を償還するために紙幣を印刷したりしているからです。(p. 204)
ハイパーインフレどころか,デフレから抜け出すのはなぜこれほど難しいのか。
コスト意識をはっきりさせ,予算内で何をやるかを決め,一度決めたら,50 年かかっても,やり抜く。(p. 220)
コスト意識を持つことは大事だが,目先のコストではなく,10 年先,20 年先を見てほしい。
アベノミクスは財政再建よりも先に経済成長率を高めようとしています。その根底には,経済成長率が上がれば税収も増えていき,それに合わせて消費税率を 10 % まで引き上げておけば,いずれ財政再建も達成できるだろうという,楽観的な見通しがある。(pp. 230 - 231)
安倍さんが想定していたほど,経済成長率は上がっただろうか。そんな中,消費税率 10 % 引き上げは本当に可能だろうか。
生活保護はいいが,現金を渡すと,パチンコなどぎゃぶるやアルコールに化けてしまうかもしれない。食糧クーポンなら,その心配がありません。(p. 243)
生活保護手当をパチンコに使う親もいるらしい。そんな親を見て,子はどう育つだろうか。
人口減少社会においては,仕送りという原理が組み込まれた公的年金制度は廃止したほうがいい。年金制度は強制加入した上で,民間の保険会社に任せるべきです。(p. 270)
年金制度設計段階において,今日の年金に関する有様を想像できた人はいたか。
政治の横やりは,ほんとうに心配です。福祉を切り捨てるな,増税に断固反対だ,みたいな少数政党が連立に加わり,ダダをこねて,せっかくの超党派の合意を突き崩してしまう,みたいなケースです。(p. 281)
断固反対ならば,その対案は何か。
自分が従うルールと,社会や国家の法律が同じでなければ,社会や国家について発言できません。日本人には政治を運営する習慣がないのです。(p. 293)
「国の法律より,ムラのルールを優先する」状態に陥っているのだろうか。
ジャパン・クライシス:ハイパーインフレがこの国を滅ぼす (単行本)
- 作者: 橋爪大三郎,小林慶一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/10/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る