2021年2月21日更新
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会最終報告書(概要)のなかに,「想定外」という言葉の二つの意味が記載されていました。
- 最先端の学術的な知見をもってしても予測できなかった事象が起きた場合
- 予想されるあらゆる事態に対応できるようにするには財源等の制約から無理があるため現実的な判断により発生確率の低い事象については除外するという線引きをしていたところ,線引きした範囲を大きく超える事象が起きたという場合
福島原子力発電所における事故は,後者が当てはまりそうです。
今後,様々な面において線引きのラインの引き直しが行われるでしょうが,一体どこに線引きがされるのでしょう。百年に一度,千年に一度,一万年に一度,十万年に一度,際限がありません。
現実的な判断は誰が下してくれるのか。技術者一人ひとりの良識しかありません。
現実と理想の狭間で技術者苦難の時代はしばらく続きそうです。