平山夢明著の「異常快楽殺人」(角川ホラー文庫)を読了しました。
人類最大の大量殺人鬼,その真実に迫る。
と銘打たれた著書です。大量殺人鬼たちの出生から現在あるいは死までのエピソードが記述されています。取り上げられているのは七人の殺人鬼です。名前とともに筆者によってつけられたと思われるキャッチーコピーも参考のために記載しています。
- 人体標本を作る男 エドワード・ゲイン
- 殺人狂のサンタクロース アルバート・フィッシュ
- 厳戒棟の特別捜査官 ヘンリー・リー・ルーカス
- ベトナム戦は終わらない アーサー・シャウクロス
- 赤い切り裂き魔 アンドレイ・チカチロ
- 少年を愛した殺人ピエロ ジョン・ウェイン・ゲーシー
- 人肉を主食とした美少年 ジェフリー・ダーマー
上記の七名に共通していると感じたのは,幼少期に虐待を受けた者が多いということ。その虐待が何らかのきっかけとなって,最初の殺人を犯し,そこに快楽を見出したことにより,次々へと殺人を犯す大量殺人鬼となっていったというようです。
性善説と性悪説と言われていますが,これらの殺人鬼はその性を持って生まれたというよりも,幼児期の虐待によってその性を備えていったのでしょうか。
幸いにも私には殺人を犯したいという気持ちは微塵もありませんが,殺人鬼たちと同じように幼少期に虐待を受けていたらどうだったでしょうか。
大量殺人鬼を嫌悪するだけでなく,同じような殺人鬼を生み出さないためにどうすればいいのかを考えていかなければならないと痛切に感じました。