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白鵬「山」を越える男

2018年8月12日作成,2020年9月24日更新

主婦と生活社白鵬「山」を越える男』(熊ヶ谷 誠志*1著)を読了。

2009年,白鵬の育ての親である宮城野部屋親方 熊ヶ谷 誠志(肩書きは当時)が記した「人間白鵬」の強さの秘密。

実は,中学生時代にバスケットボールに打ち込んだことが,白鵬の相撲に好影響を与えている。というのは,バスケットボールは,素早く走る・パスする・ジャンプしてシュートする,といった俊敏さに加えて,場面に応じた瞬時の的確な判断力が求められる。白鵬の相撲には,その俊敏さと判断の的確さが如実に表れているのだ。白鵬のあの柔軟な筋肉としなやかなバネは,中学でバスケットボールをやっていた時に鍛えられていったのだろう。

俊敏さ,判断の的確さは,他の力士と一線を画している。その一つの土壌として,中学生時代のバスケットボール経験があると考えられる。ちなみに,白鵬は中学バスケットボールの全国大会で 3 位になったらしい(同書より)。

「まずは日本の水に慣れなさい。人間の右肩には父親,左肩には母親,そして,額には師匠の魂が宿るといわれているの。お前もそのことを忘れずに,師匠や先輩の教えを大事にしていくようにね」(日本へ出発する前夜,白鵬の母親がかけた言葉)

白鵬の母親のかけた言葉も,なかなかの至言。

現在の白鵬の体を見ると,ボディビルで鍛えたような筋肉の盛り上がりはなく,力を抜いた時の筋肉は目立たない。しかし,ひとたび力が加わると,白鵬の筋肉は鉄の塊となって,2 メートル近い把瑠都ですら軽々と持ち上げるほどの強力なパワーを発揮する。白鵬は力士として超一級の体をしているのだ。

白鵬の筋肉は,力士として理想的。

「目つきですね。先輩力士が稽古をする時に,いいものを吸収しようとする必死の目です。食らいつくように見ていた真剣な目は,いまだに忘れられません」(光法)

部屋の先輩力士である光法が語る,白鵬が日に日に強くなった一つの理由。

大相撲の世界で大切なことを「心・技・体」という。この 3 つが高い次元でバランスがとれてこそ,名実ともに相撲史に残る大横綱となれる。これまでの道のりよりもはるかに険しいが,今の探究心さえ持ち続ければ,おのずと道は開けてくる。

白鵬は間違いなく大横綱の道は開いた。その道を真っ直ぐに進めているかについて,今日においては,議論が分かれるかもしれないが。

白鵬双葉山を尊敬しているらしいけど,いいことだと思うよ。でも,12 回の優勝をしたからといって,双葉山に並ぶということではない。双葉山は“神様”といわれたほどの人なのだから,永遠に崇高な目標なんだ。(大鵬

大鵬が語る双葉山白鵬大鵬にとっても双葉山は,永遠に崇高な目標であるらしい。

「僕は 69 代の横綱双葉山の連勝記録も69。この数字も何かの縁なんじゃないかな。いろいろな人の縁のおかげで僕はここまで来た。だから,この縁を大切にして,神様と言われる双葉山に一歩でも近づけるように上を目指すよ。誰が何と言おうとね」(白鵬

白鵬双葉山を目指すことを公言している。どこまで近づけたのか,それぞれが生きた時代が違うので,比較は難しい。

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白鵬 「山」を越える男

白鵬 「山」を越える男

 

*1:1957 年生まれ。元宮城野部屋所属力士で,最高位は東前頭 13 枚目。2009 年当時は宮城野部屋付き親方として後進の指導にあたっている。白鵬が来日した当時から指導にあたり,横綱まで育て上げたことから,白鵬“育ての親”と呼ばれる。