2020年2月19日更新
電気事業連合会の Web ページに掲載されている電力統計情報をもとに,2015 年度の変電所の箇所数,出力をグラフにしてみた。
変電所箇所数
各電力会社の変電所箇所数を下図に示す。
変電所箇所数は関西電力が 1,587 箇所で最も多いが,2 番目の東京電力 1,574 箇所との差はわずか 13 箇所である。
3 番手は中部電力の 939 箇所で関西,東京と比べ 600 箇所以上の差がある。
最も少ないのは沖縄電力である。
北陸電力,四国電力がそれに次いで少なく,200 箇所程度である。
変電所出力
各電力会社の変電所出力を下図に示す。
電力統計情報では変電所出力の単位は kVA であったが,TVA に変換し,小数点第 1 位未満を四捨五入している。
変電所出力では,東京電力が 269.6 TVA と他電力を圧倒している。
2 番手の関西電力は 154.8 TVA であり,東京電力の変電所出力とは 100 TVA 以上の差がある。
変電所出力の下位 3 社は,沖縄,四国,北海道となっている。
1箇所あたりの変電所出力
変電所の箇所数や出力は,会社規模によりある程度予想できる。
一方,変電所 1 箇所あたりの出力は,都市部ほど大きく,郡部となるほど小さくなることが予想される。
しかし,変電所 1 箇所あたりの出力*1は,意外な結果となった。
都市部の多い東京電力の 1 箇所あたりの変電所出力は 171.3 MVA で,9 電力で最も大きい。
これは,東京電力は都市部が多いからだと言える。
一方,郊外の多い北海道電力の 1 箇所あたりの変電所出力は 61.0 MVA で,9 電力で最も小さい。
これも,北海道電力は郡部が多いからだと言える。
では,1 箇所あたりの変電所出力の 2 番手はどこか。
都市部が多い,関西電力か,中部電力か。
実は,1 箇所あたりの変電所出力の 2 番手は意外にも北陸電力である。
関西電力は,1 箇所あたりの変電所出力は 97.6 MVA で,北海道電力に次いで小さい。
変電所出力の決め方には,各社の考え方の違いがあるのだろうか。
変電所 1 箇所あたりの出力は,各社の設備形成の考え方が反映されていると思うと,非常に興味深い。
*1:各電力の変電所出力を変電所箇所数で割る