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king-masashiの備忘録

商品の紹介,パソコン,スマートフォン,タブレットのカスタマイズ,DIY,資産形成について記録していきます。

栄光一途

雫井隼介のデビュー作である「栄光一途」(幻冬舎文庫)を読了しました。

栄光一途 (幻冬舎文庫)

栄光一途 (幻冬舎文庫)

 

日本柔道強化チームのコーチである望月篠子は,「オリンピック代表候補の中から,ドーピングをしている選手を突き止めよ」と柔道界の重鎮から極秘指令を受け,真実を追っていくというストーリーです。

柔道は“武道”であるのか,“スポーツ”であるのかという問題と,ドーピングの是非についての問題が主要なテーマとなる。 その二つの問題について,登場人物が発する言葉を引用してみます。

柔道では勝つことなんて小さな目的に過ぎないわよ 己を完成し,世を補益すること……それが柔道家の窮境の目的なのよ

なあ。君は世間を知らなさすぎる。スポーツ選手のほとんどは,実際のところドーピングなど悪いことだとは思っていない。スポーツというのは人間の限界に挑戦する文化だ。科学的に,医学的に,肉体の能力を極限まで上げていく。そうすることによってスポーツはこの先も進化し続けていくのさ。的外れな正義感はスポーツにとって障害にしかならない

私はもっぱらスポーツを観戦する立場であるので,ドーピングを使用するのはともかくとして,極限までに高められた肉体のぶつかり合いの方が興味がわく。己を完成する,というのは武道家の自己満足なのではないか,と穿った見方をしてしまう。

私の中学校,高校では柔道や寒稽古の寒稽古があり,男子生徒全員が強制的に参加させられた。自ら進んだ道ではなかったので,柔道家の窮境の目的について触れることも感じることもできなかった。一般的には,理解しがたいものだと思います。

本書は第四回新潮ミステリー倶楽部賞の栄冠に輝いたそうだが,その選考委員からも指摘がある通り,若干尻つぼみな点が否めない。