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オウム帝国の正体を明らかに

一橋文哉の「オウム帝国の正体」(新潮文庫)を読了しました。

オウム帝国の正体 (新潮文庫)

オウム帝国の正体 (新潮文庫)

 

 一連のオウム事件の裁判が進行中の2000年7月に刊行された作品である。オウム事件のうち,

  • 国松長官狙撃事件
  • 村井刺殺事件
  • 坂本弁護士一家殺人事件

にスポットを当て,背景に蠢く暴力団,ロシアンマフィア,そして北朝鮮に迫らんとしている。 確かにオウム事件は,サリン事件をはじめとして新興の宗教団体のみで成し得たとは到底思えないものばかりである。

日本という法治国家においては,公安という国家を護ることを使命とする集団もあるにも関わらず,未然に事件を防ぐことができなかったばかりか,尊い命が多数失われているのには,何かしらの陰謀を想像してしまう。

魑魅魍魎たちの暗躍を暴き出したことになっている本書が刊行されて,十数年が経過し,近年逮捕された被疑者を除き,多くのオウム事件については法の裁きが終了している。しかし,なおオウムの背景にあるとされる闇については,法の裁きが及んでいない。本当に背景に闇が蠢いていたのか,私には知るすべはありません。

オウム事件のような悲劇を繰り返さないためにも,真相があるとすれば,それを明らかにしてほしいと願うばかりです。